タンポポだより
>>タンポポだより >>   「・・・台所で・・・」 
   
 
「いただきまーす」
「いただきます!あ──
「あ────む」
幼い声がはじけています。 ──
というのは、葉っぱの上のものを食べている音かな? おままごと!叫んでいましたからネ。子供は元気が一番、私はニヤリとしました。台所の窓から幸せな声を聞く。

青葉がまぶしい。風が少しでて気持ちのいい青空です。小鳥も「スピ、スピ、スピッ」と鳴いている。

先日「王様とおばさん」の取材で、宮本さんにとって幸せはどういう時ですかと聞かれました。久し振りの質問でした。

幸せだわと感じる時ありますネ、一杯!! 誰かのお役に立ち 「ありがとう」 って言われた時も、とっても幸せを感じます。

今、自分のおかれた状況が程々で、深刻な心配もなく、精神も肉体も「まぁ色々あってもこんな程度。普通でしょ、コレ位なら──」 と思える状態でありたいと思います。

人と比較してはいけないし、心に気持ちに余裕がないと、やさしい気持ちがでてこないし・・・・・・。
幸せはネ、イメージですけど、何か 「ほっこり」 した感覚なのです。
ぬるめの温かさ、丸く、いい香り。いつまでも抱き続けていたい感じです。なんか〜〜焼き芋みたいですけど(笑)

幼い声が急に静かになりました。
皆、本当のお昼御飯になったのでしょう。台所の窓際のミニシクラメンや、パンジーの花が風に吹かれ少しゆれています。
小鳥がまた鳴きだしました。 「スピ、スピ、スピッ」

鉄瓶にお湯をわかす。
穏やかな気持ちで、さぁ〜コーヒーでも飲みましょうか〜〜〜。

 
 

宮本信子

 

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