木枯らし1号…。 冷たい風の中を散歩する。 「JUZO AGAIN」の事を思い出していた。 第24回 東京国際映画祭提携企画。 伊丹十三監督作品回顧上映、「JUZO AGAIN」。 伊丹十三は13年間で10本の作品を残し、駆け抜けていった。 10月22日、23日は舞台挨拶をする。 お忙しい中参加して下さった、本多俊之さん、糸井重里さん、津川雅彦さん、村田雄浩さん、お礼申し上げます.。本当に有り難うございました! 私は24日、最終日の最終上映『マルタイの女』は絶対客席で見たい!出来れば伊丹組スタッフと一緒に。そう決めていた。 スタッフの皆さんへの連絡を頼んだのは、スクリプターの松澤一美ちゃんです。 『マルタイの女』開始1時間前、裏口に集合! タクシーが着くと、野球帽姿の前田米造さん(撮影)、特機の落合さん(オッチャン)、録音の小野寺さん(オノちゃん)そして東宝アドY氏が待っていた。 支払いをしていると、オッチャンが「お金ある?年金のお金で払おうか〜〜ハッハッハ!」 「何よ、オッチャン!(笑)」 すると、オノちゃんが「アレ〜〜宮本さん風邪?〜〜鼻声じゃない?」「ううん〜〜」と私は言ったけれど・・・もう、さすが〜〜私の声を熟知している〜〜(笑) ビルの中からチイちゃんが〜〜!(スタイリスト鈴木智子さんの助手) 「うあぁ〜〜み・や・も・とサン〜〜逢いたかったぁ〜〜」 声が頭のテッペンから出てる(笑) 二人でハグする。子供はもう中学生との事〜〜。 そう、チイちゃんと初めて逢ったのは、彼女が19才、初仕事が私の主演したテレビドラマでした。 「きゃぁ〜〜チイちゃん〜〜まぁ変わらない!」 オノちゃんが「一美遅いなぁ〜〜」 「ウン、ウン、もう来るでしょ」と、のんびり米造さん。 ナンテ〜〜、言っていると、向こうからチョコチョコ走って来る 人がいる。 「わあ〜〜い、一美ちゃんだぁ〜〜」 皆して一斉にみる。 ワイワイと誰れが何を言っているのか〜〜(笑) Y氏が控室に案内して下さる。 Y氏が我々の為にスペインのワイン、赤と白でお祝いして下さると言う。 テーブルの上には、前菜の薄切り生ハムとチーズ、ルッコラ。 別のお皿に、洋梨とパンの薄切りが並べてありました。
なんと嬉しいことでしょう〜〜、ご厚意に感謝! 「マルタイの女」伊丹十三最後の作品。 すごい映画だ! 伊丹映画の面白さ超一級〜〜。 全スタッフ、全キャストが真剣に一生懸命になって力を合わせている。その心意気が画面からヒシヒシと伝わって、大迫力となって圧倒する。 私は自分が出演している事も忘れて魅了された。 「仕事とはこういうものだヨ」 ニヤッと少し笑って伊丹十三が言っているような気がした。 明るくなった会場で米造さんやオッチャン、オノちゃん達と目と目で頷きあう。 満足している目だ。 若いショートカットの女の子にサインを求められる。全作品見たそうです。又、録音を学んでいる日活の生徒さんにもサインをする。 『カンパ〜〜〜イ』皆とビールで乾杯したかった!中華料理を注文。Y氏関係4名様もお誘いする.。会場で、みどりちゃん役の早乙女さん(旧姓)をみつけ、一緒に! 楽しい時間でした。 皆コーフンしていて〜〜〜(笑) 絶対聞けない現場の話が次から次へと出てくる。 閉じていた思い出の箱の引き出しを、どんどん開けている、そんな感じ〜〜(笑) 幸せだなぁ〜〜! ああ〜〜なんて いいんでしょう〜〜! うんうん〜〜なんて いいんでしょう〜〜〜(笑)
宮本信子