「信子さん、この日は、この日だけは一度きり。記念に絶対写真を撮って!携帯じゃなく、、、キチンとした写真屋さんでネ」友人の蝶子さんに言われました。
考えてもみないことでした。
受章式を無事終え、東宝芸能の事務所に一寸立ち寄る。
社長やスタッフ皆さん方が拍手とお花でお祝いして下さる。嬉しい!
ホテルの写真館に行く。
マネージャーの嶺さん、メークの光倉さん、着付けの須田さんと一緒。
こんな風に正式に撮るのは何十年振り(?)でしょう。
受付で、立ち姿とミディアム(帯の下から上)の2タイプ注文。
見本に飾られたお写真はエライ方々、有名な方、普通の新婚さん、お見合い写真などなど。お隣の部屋から「ハイ、コッチ向いて下さい」ナンテ声が聞こえる?もしかしたら(時間が同じですから)同じ受章された方かも〜〜。
実にテキパキしている。言葉遣いや立居振舞が静かです。仮にXさんとします。
「ここにお立ちください」
私はポーズをする。慣れていますから〜〜女優ですもん…私。
しかしXさんは静かに(有無をも言わせず)ソフトに毅然と言う。
「体を少し斜めに〜〜、あっ、あっ、足の位置は〜〜」
私の傍に来る。ナント!私の草履をぐいっと持ち、右足はココ、左足はココと、
つかんで位置を決めているのだ〜〜びっくりした。
こんなの初めて……指導されるのだ!
スタッフは少し曇った顔をしている。マネージャーの嶺さんの顔が気持ち、険しくなった。メークの光倉さんは目の玉がまんまるになっている。
私は逆に、だんだん面白くなり〜〜(笑)
ああ〜〜この事を家に帰って伊丹さんに話したら、絶対映画の中で使うわ〜〜ナンテ考えた。
注文は容赦なく続く。
「お体を少しひねって下さい…あっ、そこ迄は行きすぎです。両脇の肘をカルクしめて…お体に添うように…」
こう?これ位?えっ?!まだ…?
もう〜〜だんだん面白くなった私は話し続ける…この辺?
「ハイ。結構です。あっ、あっ、お首を少し…少し…左に傾けて。カルク笑って下さい。少しだけ…ハイ」
「デハ、今度はリラックスして、歯が出るくらいで笑って下さい」
デジタルですから、シャッター音はしません。
デジタル。修正もバッチリなはず。
「ハイ!ハイ!よろしいと思います!ありがとうございました」
いやぁ〜〜すごかったわ〜〜(笑)
「宮本さん、女優さんなんですから、女優さんに注文するから…私、私もうハラハラしちゃいました…」と着付けの須田さん。
決めのポーズはXさんの長年の経験で「もうコレシカナイ」と、いう事なのでしょう。大変不思議な体験をして、オカシカッタ!!
さぁ〜〜もうすぐ写真出来上りますよぉ〜〜。
どんな決めのポーズか……本当に、お・た・の・し・み(笑)
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